飲食店は店長やアルバイトの生産性を向上させることによって時給や給料を30%以上アップさせられる!?

生産性向上

外食産業は生産性が低く、平均給与も低いと聞いた方も多いのではないでしょうか。日本は欧米の労働生産性を100とした場合、生産性が60ぐらいではないか言われます。

飲食店の生産性が低い原因は、長時間労働やサービス残業、長時間の立ち仕事からくる疲れやストレス、DX化の遅れなどが原因と言われています。総務省「経済センサス」によると、15業種ある業種のうち、生産性ランキングで飲食店は業界でも下位となっています。これを見ても飲食店の生産性の低さが分かると思います。

この記事では、飲食業界の生産性を高める方法について、3つ紹介したいと思います。それらを皆さんが運営する店舗で実践し現場で奮闘してくれているアルバイトや店長の給与アップに役立ててください。

営業時間外の生産性を高める

お店の営業時間外、つまり開店前や閉店後のお店の準備、片付け作業を効率よく行うことによって、生産性を高めることに繋がります。例えば開店前の清掃作業、おしぼりやテーブルの醤油などの補充、食材やドリンクなどの納品の荷受け作業などがあります。閉店後は、店内の清掃、食器洗い、翌日の仕込み、といった作業があります。

開店前や閉店後の作業はお客様がいないですし、気持ちにも余裕が生まれてきて、ダラダラと作業をしてしまうことが多くなります。その結果、生産性を低くしていることに繋がっているのです。

適切な人員配置を行い少ない人数で店を回す

売上を変えることなく少ない人数でお店を回せるようになれば必然的に人時売上高を高めることができます。人時売上高とは「店舗の売上高÷店舗の総労働時間」で計算出来ます。少ない人数でお店を回す、となると適切な人員配置が求められます。適切な人員配置は、生産性の向上や、スタッフの離職、スタッフのストレスの軽減に繋がってきます。

適切な人員配置を計算する方法は様々ありますが、例えば

「収容人数÷4(=適切なテーブルの数)÷4=適正人数」

でだいたいの配置すべき人数を算出できたりもします。

例えば、収容人数が60名ほどあるお店だとしたら、4名がけのテーブルを15台。1名のスタッフが4つのテーブルを担当するととしてスタッフを配置すると合計4名のスタッフが必要という計算になります。この人数はピークの時の必要な人数である為、時間帯によっては、もう少し少ない人数でも回せるかもしれません。飲食店を経営している店長やマネージャーの方は、人員配置を確認し、最適な人数でお店を運営する工夫をしていきましょう。

1人のスタッフがより多くのテーブルに目配り、顧客の不満を招くことなく担当できるようにするためには??という視点で考えてみると生産性を高めるために○○をする、○○が必要、○○は逆にいらない、やらない。などといって選択や判断ができるようになってきます。見方を変えることで発想や改善のための着眼点が代わりより具体的なアイデアがうまれやすいくなりますね。

調理方法の効率化を図る

キッチンでの調理効率を高めることで、お店の生産性に繋がるということは、ご存知の方も多いのではないでしょうか?調理効率とは、具体的に言うと、その日使用する食材の切り込みなどをオーダーが入る前の段階で行なっていくことなどが該当します。オーダーが入ってから玉ねぎの皮や人参の皮を剥くよりも、オーダーが入る前の段階で作業しておくと、オーダーが通った時にスムーズに調理に取り掛かることができ、調理の効率化に繋がります。

実は生産性が業界でもハイレベルであるとされている大手飲食チェーンのマクドナルドやサイゼリアなどは、厨房には包丁がありません。セントラルキッチンで半調理されたものが各店舗に届く為、店内での作業時間を極限まで短くする、少ない調理スタッフで効率良く料理が提供できる仕組みを工夫しています。飲食業界にとって、調理の効率化というものは生産性を高める上でとても重要になってきます。

より早くよりおいしく、より効率的に。料理を提供するためにはどこをどう改善すればよいか、ホールだけでなく、キッチンに至る細部までこの機会に見直してみましょう。

まとめ

飲食業界の生産性を高める為には、営業時間外での作業フローの改善や、よりリソースでお店を運営できる工夫をすること(ここでの誤解は「接客」など一定の人的リソースを投下すべき部分には積極的に投下していく必要があるということ。削れば良いというものではないということです)、また調理の効率化を図ることが非常に重要だと考えられています(こちらも素材の質を下げるということではなく、効率化して浮いた分の一部を原材料に投資しより新鮮で品質の高い食材を調達するなどメリハリをつけるという点が重要です)。

「うちの店では実践が難しいよ。」「分かっていても中々実践出来ない。」という経営者の方でも、まずは自分が楽を出来ることを考えるところから始めてみましょう。そのように考えていくことで、スタッフの人員配置や調理の効率をよくする方法が見つかると思います。

そうやって少しづつ改善を図っていくことで欧米レベルまでとは言わず、30%前後は生産性を向上させることで連動して店長やアルバイトなど現場スタッフの給与も引き上げていくことができるのではないでしょうか。

マネジメント層はいかにして売上をあげるか、という視点も重要ですが、いかにしてスタッフや社員の給料を上げてあげることができるか、という視点で各種施策を講じていくことが重要ではないでしょうか。それが結果的に従業員のモチベーションや意欲にもつながり生産性向上への取り組みや提案、実践につながっていくものと思います。

どれだけ素晴らしい施策であっても現場で実践できなければ意味がありませんよね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ライタープロフィール

mihoneiqiao2(ペンネーム)

老人福祉施設の調理員を経験後、結婚を機にWebライターとして外食や自動車、美容、人材、Webマーケなど幅広いカテゴリーで執筆活動を展開。

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