飲食店を経営していく上では、最適なスタッフ数による無駄のない接客が、利益に直結すると言われています。ですが、昨今の飲食業界では長時間労働などが問題視されており、スタッフを上手に活用できてない飲食店が多いです。
お店のスタッフの人数配置などを最適化していくためには「接客生産性」を可視化し取り組みことが最も近道になります。
この記事では、「接客生産性」についての詳しい解説と計算式について紹介していきたいと思います。飲食店を経営されている方は、知っておいた方がいい内容となっていますので、是非最後まで読んで頂きたいと思います。
接客生産性とは?
接客生産性とは人時接客数とも言われており、同じ意味で使われていることが多い指標です。
意味としては、飲食店の社員を含めたスタッフが1人1時間あたりに何人のお客様を接客したかを表すものです。ここで言う接客とは、キッチンや清掃など全ての時間を含みます。
接客生産性を計算することによって、作業効率の良い悪いを判断する基準になります。また、適正な労働時間を求める際にも使われたりします。
接客生産性の計算式
接客生産性に関わる計算式は下記の通りです。
- 人時接客数(接客生産性)=客数÷労働時間
- 人時売上高=人時接客数✕客単価
また、客単価が500円のA店と、1000円のB店があるとします。人時売上高はどちらも
3000円を達成しているとしましょう。
この場合の人時接客数(接客生産性)の求め方は下記の通りです。
- A店の人時接客数(接客生産性)=3000円÷500円=6.0人
- B店の人時接客数(接客生産性)=3000円÷1000円=3.0人
上記のような計算式で、人時接客数(接客生産性)を求めることが出来ます。かなりの違いが分かるかと思います。
A店の方がB店よりも、スタッフ1人1時間あたりの接客するお客様の数が3人も多いことが分かりますね。
客単価によっても違いが出ることがわかりますね。客単価をあげる施策も接客生産性を高めることにつながるという考えも持つ必要があります。
接客生産性改善時の留意点
スタッフ1人1時間あたりの接客数が多いほど、良いと言う訳ではありませんが、お店の回転率にも大きく影響する指標ともいえますので、低いお店は改善していく必要があります。
ではどのようにして接客生産性を高めて行けばよいのでしょうか。
- 無駄な作業を見直す
- スタッフの配置を見直す
- 客席とキッチンの中の設備を見直す
- スタッフのスキルアップ教育をオペレーションレベルにまで見直す
- メニューを絞り込む
- 客単価をあげていくための施策を取り入れる
- 席回転率を上げる施策を取り入れる
- ピークタイムを伸ばす
など様々なアプローチがありますが、どれも計算式を理解することでどこを改善すればそれにつながるのかということがわかってくると思います。
数値を式にまで分解して何が何にインパクトするのかを理解し施策を考えることがとても大切です。
まとめ
接客生産性を高めることが、お店の回転率を良くしたり、作業の効率化に繋がってきます。飲食店を経営されている方は、日頃の業務でスタッフの動きなどを見ていき、無駄な作業や、効率の悪い作業を改善していくと良いでしょう。
ただその際の着眼点も計算式を思い出し、どこに着目すればよいのかを目星をつけてから取り組むことでそれこそ無駄なマネジメントもなくなるはずです。
経営やマネジメント、生産性改善活動を思いつきで進めてしまってはそれこそ生産性低下につながってしまいます。
マネジメント層自体が生産性を意識し改善活動に取り組むためにはまずは知識を身につけることが最も大切なことなのです。
こういったご時世だからこそ経験や勘に頼らず、数字や数式を徹底的に理解する。ぜひ意識してみてください。