飲食店における重要な経営指標「人時売上高」。あなたのお店では適切な目標を立て、結果を出すことができていますか?この記事では「人時売上高とはなにか」「人時売上高とサービスの質との関係」更にあげていくために必要なことと課題について具体的な例を上げながら解説していきます。
人時売上高とは
「1時間で従業員一人あたりいくらの売上を稼げている」を図る指標が「人時売上高」です。
計算式は
「売上高 ÷ 総労働時間」
これが高い場合、少ない労働時間でたくさんの売上が稼げていることになり生産性が高いといえます。
ここで注意したいのが、従業員の人数が計算式に含まれていないことです。
詳しくは後ほど説明します。
一般的な飲食店での人時売上高の目標は業態にもよりますが5,000円くらいを目指すところが多いようです。尚、生産性追求については会社としても高い意識を持つサイゼリアでは最低でも6,000円-7,000円という業界でも高いレベルを目指していると聞いたことがあります。
人時売上高とサービスの質との関係
人時売上高の計算式をもう一度確認してみましょう。
「売上 ÷ 総労働時間」
この総労働時間というのは、店長含む従業員全ての労働時間を足し合わせたものです。
例 人時売上高 目標5000円とします。その場合以下のようなパターンが考えられます。
・A店では従業員10人で週100時間 売上50万円
・B店では従業員5人で週100時間 売上50万円
極端な例でしたが、従業員の人数に関係なく、A店とB店の人時売上高は5,000円で同じです。
なんとなくイメージできるかと思いますが、B店のほうが従業員一人あたりに対する負荷が2倍大きいことがわかります。
その結果どうなるでしょう。
オペレーションに問題が発生したり、接客などのサービスの質が落ちたり…。人件費を削減すれば短期的な売上は上がります。ですが長期的に見たとき、適切な人数をあてないと売上が減少傾向になる可能性が十分に考えられます。
私が働いている某ファストフードチェーン店では、「ピープルビジネス」というものを掲げています。名前の通り、ピープル・すなわち従業員やお客様を第一に考えて経営することです。この共通認識がリーダー全員にあるため、毎日素晴らしいサービスをお客様に届けることができています。
適切に人時売上高を上げるには?
今まで読んでくださった方は「人時売上高はあまり上げすぎないほうがいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、当然のごとく人時売上高が下がりると生産性が低下し利益が落ちます。
ではどのように上げる工夫をするのか。
- 売上を上げる
- 人件費を抑える
広く捉えるとこの2択になると思います。
では売上を上げるためにどうしたら良いのか、サービスの質を落とさないように人件費を抑えるにはどうしたら良いのか、を考える必要が出てきます。
今ここで一つ例を上げるとしたら、時間帯シフトを細かく設定すること。
アイドルタイムとピークタイムの従業員の数を細かく調整するだけでも、総労働時間、人件費を減らすことに繋がります。
他にもDXを進めていくことで業務効率化を図ることなども上げられます。詳しくは別の記事で紹介していますのでそちらもご覧ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回出たキーワードや計算式をまとめると、
「人時売上高 = 売上高 ÷ 総労働時間」
「一般的な飲食店での人時売上高目標は5,000円。高いところでは6,000~7,000円のところも」
「総労働時間と従業員数から従業員1人にかかる負荷を考慮」つまり適正な「労働生産性」を考慮する
「人時売上高を上げるには・人件費を抑えながら売上をあげる」つまり「店内の生産性を向上させる」
が結論となります。あなたのお店ではどれだけの人時売上高を取れていますか?生産性向上施策には手
をうっていますか?
もしかしたらすでにあなたの従業員は危険信号を出しているかもしれません。
明確な目標をお店全体の共通認識とし、さらなる進化を目指していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
みなさんがもっとスマイルになれますように。