飲食店においてのオペレーションは、お店を運営する上で「実際の店舗の中での仕組みや手順・作業」のことを指します。
従業員個人の動きや、キッチンでの作業のみを指す言葉と勘違いされがちですが、一連の作業の仕組み、接客や発注などもオペレーションの意味に含まれます。
今回は生産性向上のためのオペレーション改善にフォーカスしていければと思います。
オペレーションの種類と業務効率改善ポイント
飲食店における「オペレーション」にはいくつかのカテゴリーがあります。
- 調理オペレーション(キッチンオペレーション)
飲食店で一番重要とされているオペレーションが調理オペレーションです。
仕組み化しやすく、改善もしやすいためジャンル問わず多くの飲食店では調理オペレーションを重要視しています。
- 接客オペレーション
上でも述べたとおり、接客もオペレーションの1つです。
お客様が店内に入ってから退店するまでの一連の接客の流れのことを言います。
大きく分けると席へのご案内・注文・提供・会計のことです。
接客にはある程度の常識とされているものがあります。
「接客5大用語」と呼ばれているものや、「コンビニ言葉」など様々あるかと思いますが、それら言葉遣いや、服装等の身なりも接客オペレーションの中に含まれます。
- 食材・コンディメントの発注・管理についてのオペレーション
店内での作業において、ロスが出ないように食材を発注するのはとても重要なオペレーションの一つです。食材だけではなく、お客様が使用するコンディメントの発注・管理もオペレーションに含まれます。これは「バックヤードオペレーション」と呼ばれることもあります。
- 店内の各所チェックオペレーション
冷房は適切に動作しているか・トイレは清潔か、厨房の機器は正常に動いているかなどをチェック表などで管理することもオペレーションの一つです。これを怠ると毎日の安定した店舗運営ができなくなる可能性があります。テーブル上の調味料やお箸の補充などもそういったホールオペレーションの一部に組み込まれることと思います。
オペレーションの改善に向けて
さて、オペレーションの種類を一通り紹介しました。ではこれらをどのように改善していけばよいのかを考えていきましょう。
まずは「誰がオペレーションを改善するのか」を考える必要があります。最初の2つに上げた調理・接客オペレーションは働いている従業員全員の作業の一つです。
対して発注・管理・チェックのオペレーションではある程度の責任を持てる人、すなわち店長や時間帯責任者がするべき仕事となっています。
この区別をしっかりつけておくことにより、次に何をするべきなのかが明確になります。
従業員が動くオペレーションの改善には、徹底したトレーニングが効果的です。教える人にとって教わる内容が違うと、「まぁいいや」の妥協が重なってしまいオペレーションの悪化に繋がります。店舗内で共通のトレーニングプログラムを作成する。定期的にオペレーションのチェックをするなどを行うことで、オペレーションの改善が期待できます。
このトレーニングプログラムは、多くの店で「マニュアル」として存在しています。
「マニュアル」とはあくまでも店舗内の「ルール」であり、人を育成するためのプログラムではありません。
もしあなたの店舗で「思いどおりに人が動いてくれない…」と感じているのでしたら、人材育成についてのコンサルティングなどを受けるのも一つの手でしょう。
責任が伴うオペレーションの改善には、人的ミスを防ぐために1人でオペレーションを最後まで終わらせないことが大事となってきます。発注ミスや管理不足は複数人が見ていれば高確率で防げます。責任者一体となって改善の意識を持つことが大事です。それと役割分担が重要です。パーツパーツで業務を分けることで人的ミスは減っていきます。
更に人と機械の役割分担です。飲食店DXというワードが最近出てきてますが、そこは本当に人がやるべき領域か、そうでなくてもよいか、逆に本当にそこまで機械にまかせてもよいのか、人がやるべき領域ではないのか。それを見極めながらオペレーション改善と生産性向上を図っていくべきなのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。飲食店でのオペレーションは、様々な種類があり、どれも改善を少しづつでも見直すことが大切です。
オペレーションが改善されると生産性向上のほかにも次のようなメリットが生まれます。
・行動を先に変えることにより、意識が変わる
・効率的なオペレーションにより業務効率化に繋がり、人件費削減に繋がる
・従業員同士で考える癖がつく
ではもう一度オペレーションの種類をおさらいして理解できているかどうか確かめてみましょう。
・調理オペレーション
・接客オペレーション
・発注・管理オペレーション
・各所チェックオペレーション
「誰がするべきなのか」「改善にはどうしたらよいか」店舗によって問題点や改善案はそれぞれです。オペレーションを改善して、お客様にとっても従業員にとっても素晴らしい環境を提供しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
みなさんがもっとスマイルになれますように。