飲食業界では誰もが聞いたことがあるであろう「席回転率」。今回は客席回転率についての理解を深め、そしてどのように改善していけばよいのか、事例を交えて解説していきます。
客席回転率とは?
客席回転率とは、「来客数 ÷ 客席数」から割り出され、店内の席にどれだけのお客様が座ったのかを示す指標です。
例えば、50席のお店に125名来客した時は、125÷50 = そのお店の席回転率は2.5回転ということになります。
客席回転率が高いお店ほど、同じ客単価であればその(客数分)分売上が取れていることを示します。
Point:4人がけのテーブルがあった場合などにそこに3人が座ってしまうと、総席数に対しての回転率が下がってしまいます。
次に説明する「客席稼働率」も重要になることを頭に入れておきましょう。
売上計算式を細分化する
客席稼働率が100%の状態では、「売上=客単価×客席数×回転率」で計算できますが、実際は客席稼働率を考慮しなければなりません。
「売上 = 客席数 × 客席稼働率 × 回転率 × 客単価」
さらに 回転率 = 来客数 ÷ 客席数 を使うと、
「売上 = 客席数 × 客席稼働率 × (時間内の来客数÷客席数) × 客単価」
例:12:00〜13:00のピーク時(60分間)
客席50席・平均客席稼働率85%・来客数120名・平均客単価1200円
「売上=50×0.85×(120÷50)×1200=122,400円」
少しイメージできたでしょうか?
客席数の少ないお店でも、席の回転数を上げるか、客単価を上げれば売上が伸びやすい。
ということが計算式を分解してみることで見えてくると思います。
このようにお店の特徴によって、どの指標をどこまで向上させるべきかには違いが出てきますが、業態や店舗の特徴を見極めて適宜調整しながら具体的な目標を定めていくすることが大切です。
何をどれだけ向上させるのか、を明確にすることが重要です。
席の回転率をあげるためには
では実際、客席回転率を上げるためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。
- 4人〜の大人数席を減らす
先述した客席稼働率を高くするためには、大テーブルを減らし、少テーブル・カウンター席を増やすという工夫があげられます。お店のレイアウトにもよるので一概には言えませんが、客席回転率を重視するお店でしたらこのような工夫も選択肢に入れておいたほうが良いでしょう。
- 料理提供や退店後のテーブルの準備までの時間を短くする
お客様がどれだけ急いでいても注文の品が出てこなければ帰ることはありません。そのためには業務効率化などで提供の時間をできるだけ短くすることが必要になります。最近の飲食店ではタブレット機器を用いて注文までの時間を短縮する工夫を図っているところもあります。スタッフと目が合わなくても注文ができてしまいますのでお客様のタイミングに合わせて注文を受けることができます。
- 会計の時間を短くする。
満席の際に次のお客様を案内するにはお会計の時間をできるだけ短くする必要があります。少ない人数でお店を運営している場合、会計に人員が固定で一人とられてしまうため、会計の遅れは業務の遅れにも繋がります。これもまた、最近ではバーコードをかざすタイプのセルフレジなども増えてきていますね。
まとめ
いかがだったでしょうか?客席回転率はお客様に依存し、効率化を図ることができないと考えていたかたも少なくないと思います。
客席回転率を上げることでお客様の満足度は下がらないか、従業員に無理な負荷がかからないか、など考慮すべきことはまだたくさんあるはずです。
あなたが目指すお店のスタイルに少しでも近づけることができたら嬉しいです。
今回出てきた計算式
・客席回転率 = 客席 ÷ 来客数
・売上 = 客席数 × 客席稼働率 × (時間内の来客数÷客席数) × 客単価
この2つを深く捉え、どのように工夫していけるのかを考えることで新たな発見があるかもしれませんね。
最後までよんでいただきありがとうございます。
皆さんがもっとスマイルになれますように。